2018年10月12日金曜日

プリエンファシス

一部のCDにはプリエンファシス処理がなされているものがあります。
これをアサンダーやオーデックス等のリッピングソフトで取り込みますと、プリエンファシスがかかったまま記録され、これを再生しますとハイ上がりのバランスの悪い音となってしまいます。

cdparanoia に -vsQ オプションをつけて実行するとTocの情報が取得でき、プリエンファシスのかかったトラックを調べることができます。

$ cdparanoia -vsQ 2> a

結果は標準エラー出力に出ますので、 リダイレクトするときは上記のように。






pre欄が yes になっていますのでこのトラックにはプリエンファシスがかかっていることがわかります。

icedax に -T オプションをつけて実行しますと、プリエンファシスを外してリッピングできます。

https://wiki.hydrogenaud.io/index.php?title=Pre-emphasis

によりますと、

Most major-label CDs with pre-emphasis were manufactured in Japan in the early and mid-1980s. Relatively recent forum posts indicate that pre-emphasis is still used on newly manufactured CDs by some indie labels, mainly for classical titles.
だそうです。

プリエンファシス処理されたCDは少ないのですが、
そのことが逆に問題をややこしくしています。
もう少し数が多いとリッピングソフトも対策してくれるはず。

Windows用のソフトにはあるようです。

さらに厄介なのが一旦リッピングしてしまうと元のCDがプリエンファシスされていたかどうか全くわからなくなるということです。
(
これはWavファイルにプリエンファシス・フラッグを立てるフィールドが存在しないことが原因です。

聴覚チェックしかありません。
(
icedaxは inf ファイルを出力し、そこにはプリエンファシス情報が書き込まれます。
ただし各メディアプレーヤーが inf ファイルをどのように利用するかは不明。

infファイルの例

$ cat audio_01.inf
#created by icedax 1.1.11 10/14/18 16:14:30
#
CDINDEX_DISCID= 'GsmGXkLkQMUurjFtbeahb48H38Y-'
CDDB_DISCID= 0x4d126105
MCN=
ISRC=                
#
Albumperformer= ''
Performer= ''
Albumtitle= ''
Tracktitle= ''
Tracknumber= 1
Trackstart= 0
# track length in sectors (1/75 seconds each), rest samples
Tracklength= 88950, 0

Pre-emphasis= no



ちなみに手持ちのCDのうち、
BISの2枚がプリエンファシス処理されていました。
また
Sound eXchange (SoX)
というツールを使えば事後であってもプリエンファシスを外すことができます。
https://senjounosantafe.blogspot.com/2018/10/blog-post_21.html


あるCDの同じトラックをaudexとicedaxでリッピングして比較してみた。 片方はプリエンファシスがかかったまま。片方はプリエンファシスを外して。
区別はつかなかった。これは困った。
知らずに聞かされれば気が付かないだろう。


今回聴いてみたのはフルート、チェロ、チェンバロの合奏曲。

曲調によっては大差ないということか。

梵鐘や、ブロッホのチェロ協奏曲も聴いてみたが、やはり同じ結果だった。
シングル一発のシステムでは気にしなくていいようだ。

適切にデエンファシスできていないのでは? との疑問も残るが、
どちらにしても「ハイ上がりの聴くに耐えない音」ではけっしてないので、問題なし。

少し長いですが、Soxコマンドのマニュアルを引用します。

deemph Apply Compact Disc (IEC 60908) de-emphasis (a treble attenuation shelving filter).
 Pre-emphasis was applied in the mastering of some CDs issued in the early 1980s. These included many classical music albums, as well as now sought-after issues of albums by The Beatles, Pink Floyd and others. Pre-emphasis should be removed at playback time by a de-emphasis filter in the playback device. However, not all modern CD players have this filter, and very few PC CD drives have it; playing pre-emphasised audio without the correct de-emphasis filter results in audio that sounds harsh and is far from what its creators intended. With the deemph effect, it is possible to apply the necessary de-emphasis to audio that has been extracted from a pre-empha‐ sised CD, and then either burn the de-emphasised audio to a new CD (which will then play correctly on any CD player), or simply play the correctly de-emphasised audio files on the PC.
 For example:
 sox track1.wav track1-deemph.wav deemph

「sounds harsh」
とあるが、プリエンファシスの有無にかかわらず高音のきついCDは沢山あります。

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